敷地北側に前面道路を挟んで11階建、東には3階建、西には4階建の賃貸マンションに、南側はすぐに隣家に囲まれた敷地での計画です。

当然のことながら採光通風の確保とプライバシーの確保という異なるベクトルを持つ空間性の両立がテーマとなりました。

ここでは敷地最北2階部に道路からも見えないプライベートテラスを配し、そこに向かって開かれた生活空間をレイアウトした。
北側テラスへは冬至においても周辺環境をすり抜けて到達する直射が確保され、建物最北の外壁内面を照らすこととなります。
またLDK中央のハイサイドライトからも内部空間を通り抜けてこの北側テラスまで直射を届けることとなります。
つまり北側テラスがこの住宅の中で最も安定した明るい空間として年間を通して採光+通風を確保する大切な外部空間となっています。

理想的な外部環境がなければ建築空間として創れば良いという発想の住宅です。

木造地上2階建

102.96㎡

65.84㎡

122.36㎡

平野 和司

2022